僕の友人に、トラウマが原因で女性とお付き合いできないという人がいます。
何それ、何か失敗しちゃったの?
はい、彼が初めて女性とデートしたとき、緊張しすぎて「失禁」しちゃったんですよね・・・
なるほどね~
ま、でも生理現象だし、あまり気にしすぎてもどうかと思うけどな。
彼いわく、「トラウマ」を消したいんですって。
でも、トラウマなんて簡単に消えるのかな~
この記事にたどり着いたあなたは、何がしかのトラウマを抱えているのですね。
過去にどんなツラいことや、悲しいことがあったのでしょうか?
苦しかったですよね、悲しかったですよね。
でも、今日を限りに、そのトラウマとは決別しましょう。
まずは、不完全な自分を受け入れる「勇気」を持つことです。
あなたには、あなたにもまだ見つかっていない人生の可能性があります。
私と一緒に、新しい一歩を踏み出してみませんか?
アルフレッド・アドラーとは
1870年にオーストリアで生まれたアドラーは、同時代のフロイトやユングと共に、臨床心理学の基礎を築いた人物といわれています。
一方で、フロイトやユングの心理学とは異なり、「過去にとらわない未来志向」の心理学を提唱しました。
アドラー心理学といえば、「嫌われる勇気」がベストセラーになって以来、多くの人に知られるようになりました。
アドラー心理学の特徴は、あらゆる対人関係は「縦」ではなく「横」の関係にあり、人と人とは対等であると考える点にあります。
あなたの思い込みについて
あなたはこの世界のことをどのように認識していますか?
平和な世界、残酷な世界、楽しい世界、悲しい世界・・・
人によって、認識の仕方は様々だと思います。
私はこの世界のことを「怖い」って思っています。
では、ご自分のことはどのように認識していますか?
明るい自分、暗い自分、ポジティブな自分、ネガティブな自分・・・
これも、人によって様々だと思いますが、いかがでしょうか?
そうですね・・・
私は自分のことを「弱い」自分だと思っています。
なるほどですね、ありがとうございます。
そんなあなたは、あなたの周囲の人に対して、どのように期待していると思いますか?
私が周囲の人に対して期待していることですか?
・・・
何だろう?
いきなり問われても難しいかもしれませんね。
一般的な話ですが、「この世界は怖いところで、自分は弱い存在だ」と思っている方は、周囲の人に対して、「みんなは弱い私を助けるべきだ」と考えているそうですよ。
・・・・・
まぁでも、「みんなに守ってもらいたい」とは感じていると思います。
ごめんなさないね、変なこと聞いてしまって。
ところで、「この世界は怖いところで、自分は弱い存在だ」だというのは、あなたの「考え」であって、「事実」ではありませんよね?
あなたがそのように信じ込んでる「世界像」であり「自己像」に過ぎないのです。
ちょっと、今回の話は難しいですね・・・
「この世界は〇〇で、自分は△△だ」というのは、人それぞれの異なる「世界像」や「自己像」といった価値観を通して決められているって、ことでしょうか?
その通りですね。
もっとシンプルに言ってしまうと、人それぞの「思い込み」に過ぎないということですね。
意味付けとは
生きていると、日々の生活の中で、様々なことが起きるものです。
アドラーは、重要なのは日々の出来事ではなく、あなたがそのような出来事にどのような「意味付け」を行うかが大事だといっています。
例えば、あなたが担当している仕事の不備を誰かに指摘されたとしましょう。
すると、あなたはどのように感じますか?
僕の同僚で、いつも文句ばっかりいっている人がいます。
「最初からみんなが手伝ってくれていれば、俺は失敗しなかったんだ!」って。
失敗したのは彼の準備不足が原因なのに、いつも誰かのせいにするんですよね。
興味深い事例を紹介いただき、ありがとうございます。
おそらくですが、その同僚は、「周りの人は意地悪だ」という「世界像」と、「自分は失敗しやすい」という「自己像」を通して、自分の失敗という事実を「意味付け」しているのだと思います。
つまり、「俺は失敗しやすいのに、お前らが意地悪で手伝ってくれないからいけないんだ!」って。
そして、その「意味付け」に従って、あなたに自分の不満をぶつけているのかもしれません。
もう、どうしようもないね。
人は、「世界は〇〇で、自分は△△だ」という自説を強化したがっています。
「この世界は〇〇で、自分は△△だ」という思い込みは、自分の経験に対する「意味付け」で出来上がった偶像に過ぎないのです。
そもそもですが、僕は別に、失敗したって構わないと思っています。
次から失敗しないようにすればいいだけなのにな・・・
そうですよね。
どうせ「意味付け」をするのであれば、ポジティブな「意味付け」ができるといいですよね。
だとしたら、その同僚はいつのころから、そのようなネガティブな「意味付け」をするようになったのでしょうか?
そうだね。子供の頃に何かあったのかな?
トラウマの消し方
あなたは「トラウマ」という言葉をご存じですか?
トラウマとは「心的外傷」のことで、割と日常でも気軽に使われる言葉ですよね。
僕の友人も「トラウマが原因で女性とお付き合いできない」といっていましたよ。
彼が初めて女性とデートしたとき、緊張しすぎて「失禁」しちゃったから。
そうでしたね。
先ほど、「意味付け」のところでも紹介しましたが、「初めての女性とのデートで失禁して失敗した」と意味付けているのは彼自身です。
また、そのことを「トラウマになった」と意味付けているのも彼自身です。
う~ん
とはいえ、「失禁」してしまった以上、デートに成功したとは思えないよな・・・
ま、まぁそうですけどね・・・
でも、もう、起きてしまった過去をなかったことにはできないのです。
であれば、せめて、そのことに対する「意味付け」を変えるしかないと思うのですよね。
「トラウマがあるから〇〇できない」と考えることは、自分に「できない言い訳」を提供しているようなものです。
このことを「自己欺瞞(じこぎまん)(=自分自身を欺くこと)」といいます。
「自己欺瞞」は、目の前の課題から目を背けるのに、とても便利な考え方です。
まぁ、そうですよね。
いつまでも、最初の失敗を引きずっていても仕方ないと思います。
彼は最初のデートで失禁したことをトラウマにして、女性とお付き合いできないといっていますが、実は単に、女性に告白してフラれることを怖れているだけかもしれません。
フラれて、傷つく自分が怖いのだと思います。
その気持ちは、私も人として、男性としてよく分かりますよ。
でも、そのままでいいのか!ってことなんですよね。
トラウマなんて単なる偶像です。
自分が意味付けした結果に過ぎないのです。
そうやって、あなたはいつまで自己欺瞞を続けるのですか?
別にいいじゃないですか、フラれたって。
失敗したっていいんですよ。
自己欺瞞に気付き、不完全な自分を受け入れることが、あなたが作り出した「トラウマ」は消えていくでしょう。
やけに熱く語っていましたね。
山ノ内公園さんにも、そのような過去があるのですか?
え、何!?
最初のデートで失禁したの!
失禁はしていません(笑)
まとめ
この記事のまとめは以下の通りです。
- 「この世界は〇〇で、自分は△△だ」というのはあなたの思い込みに過ぎない。
- 「この世界は〇〇で、自分は△△だ」という思い込みは、自分の経験に対する「意味付け」で出来上がった偶像に過ぎない。
- トラウマも「意味付け」られた偶像に過ぎない。
- トラウマを理由に、目の前の課題から目を背ける「自己欺瞞」に気付き、不完全な自分を受け入れるべき。
人は、「できない」のではなく、「やりたくない」理由を探しているだけかもしれませんね。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
感謝いたします。
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