アドラー心理学③ 課題の分離とは 課題の分離は冷たくない 課題の分離のコツを解説

アドラー心理学③ 課題の分離人間関係

最近、残業も多く休日も仕事しているような状況なんですよね。

仕事があるのはいいことだけど、休日まで仕事してたらリフレッシュできないよな。

最近、同僚が体調を崩して入院したのですが、上司が彼の仕事を全部、私に対応してもらいたいとのことで・・・

それは大変ね。上司に相談してみたの?

期待されると、ついつい、頑張ってしまうのですよね。

でも、プライベートでも、今、母が体調を崩していて、身の回りの世話とかも全部、私がしている状況なんです。

お父さんや他の兄妹たちは、手伝ってくれないのかい?

みんな、僕に任せきりで・・・

正直、もう爆発しちゃいそうなんですよ・・・

山ノ内公園
山ノ内公園

今回は、そんなあなたのお悩みに寄り添います。

ちなみに、筆者の山ノ内公園はこんな人です(※:プロフィールはこちら)

 この記事で分かること
  • アドラー心理学とは
  • 課題と責任感について
  • 課題の分離について(課題の分離を冷たいと感じるあなたへ)
  • 課題を分離するコツについて

※:この記事は、2~3分で読める内容です。

この記事にたどり着いたあなたは、きっとマジメな方なのだと思います。

でも、そのせいで、つい他者の期待に応えようとしてしまう。

何事にも全力投球するのはよいことだと思いますが、荷が重すぎると、あなた自身が潰れてしまいます。

あなたも、そしてあなたの周囲の人も、それを望んでいるのでしょうか?

この記事は、あなたらしく生きるために、「アドラー心理学 課題の分離」について紹介していきます。

アルフレッド・アドラーとは

1870年にオーストリアで生まれたアドラーは、同時代のフロイトやユングと共に、臨床心理学の基礎を築いた人物といわれています。

一方で、フロイトやユングの心理学とは異なり、「過去にとらわない未来志向」の心理学を提唱しました。

アドラー心理学といえば、「嫌われる勇気」がベストセラーになって以来、多くの人に知られるようになりました。

【日本統合医学協会】アドラー心理学検定1級講座

アドラー心理学の特徴は、あらゆる対人関係は「縦」ではなく「横」の関係にあり、人と人とは対等であると考える点にあります。

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課題と責任感について

あなたは様々な側面を持っていますよね?

そして、その側面に応じて、課題や責任を担っています。

仕事・職場における課題と責任。

家庭・夫婦・親戚における課題と責任。

学校・クラブ活動における課題と責任。

友人・知人における課題と責任。

自身のお金・健康における課題と責任など。

あなたの人生は、それらについて、どの課題に取り組んで、どの責任を果たしていくのか。

この取捨選択の繰り返しともいえるのです。

なかには、これらの課題や責任から逃げるような無責任な人もいます。

一方で、まじめに受け止め、課題や責任がどんどん増えていき、身動きの取れない状況になる人もいるのです。

まさに今の僕のような状況ですね。

責任感を持つことは決して、悪いことではありません。

でも、あまり重たい荷を背負いすぎると、あなた自身が潰れてしまいます。

責任感の強い人ほど、その傾向も強いようです。

では、彼のような真面目タイプはどうしたらいいの?

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課題の分離は冷たいのか?

責任感の強い人は、ますます課題を抱え込んでしまうものです。

でも、その結果、いずれ首が回らなくなります。

そうすると、抱え込んだ課題を放り出したり、あるいは心身の不調をきたして、課題に取り組むことができなくなります。

そうならないためには、自分がこなせる量まで、課題を減らしていく必要があります。

ですので、課題を分離することは冷たいことではありません。

合理的なことなのです。

責任感の強い人が、課題を減らすことなどできるのでしょうか?

あなたが、「逃げられない」、「しなければならない」と思っている課題の中には、あなたがしなくてもよいものが多くあります。

これは仕事や職場を考えてもらえればよく分かると思います。

人間は生身の生き物です。

会社はそれを見越して人を採用しています。

究極的には、あなた一人がいなくなっても、会社も仕事もどうにかなるものです。

ま、それが実態なんだよな。

会社組織で考えた場合、ざっくりいうと、経営者がいて、管理職がいて、実務担当者がいますよね。

今回の場合、体調を崩したメンバーの仕事をどう割り振るかは上司(管理職)の課題といえます。

その上司はあなたが休日まで仕事をしているとは思っていないハズですよ。

もしも、あなたがオーバーワークにより体調を崩したら、上司はきっと、「どうして、もっと早く相談してくれなかったの」と言うでしょう。

そうですね(笑)

課題を分離することよりも、そのような上司の方が冷たいと感じます。

一方で、あなたの上司に、きちんと今の状況を伝えて、負荷配分の見直しを相談することがあなたの課題です。

すべての業務をあなた一人が抱え込むことではありません。

お母さんの身の回りの世話もそうです。

あなたの家族は、あなたが仕事でそこまで大変な状況だとは思っていません。

だから、優しく責任感の強いあなたに頼っているだけだと思うのです。

お母さんの身の回りの世話は、あなたのお父さんや兄妹でもできるハズです。

あなたの家族に、きちんと今の状況を伝えて、協力をお願いすることがあなたの課題なのです。

すべてのお世話をあなた一人が抱え込むことではないのです。

そもそも、人間関係におけるトラブルは、人の課題に土足で踏み込むことや、踏み込まれることで起きるといわれています。

さきほどの上司の件も、あなたを「部下は自分より下」だと思っているから、あなたの状況をよく考えずに、仕事を依頼したのかもしれません。

一方で、あなた自身も「上司は自分より上」だと思っていませんか?

だから、期待に応えようと、自分で仕事を引き受けるという選択をしたのかもしれませんね。

上司と部下の関係は役割分担にすぎません。

そうは言っても、上司に「モノ申す」のは、なかなか勇気がいることです。

ですが、勇気を出してみる価値はあると思いませんか?

人生を切り拓いていく原動力はいつだって勇気なのではないでしょうか?

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課題を分離するコツ

あなたが「背負うものが多すぎる」と感じたら、「これは誰の課題だろう?」、「これは誰の責任だろう?」と自問自答してみては如何でしょうか?

冷静に自分を振り返ることができれば、そのことに「自分一人だけが悩み、苦しんでいる」ことがバカらしく思えてくるはずです。

もしも、自分一人では上手く整理ができない場合は、誰かに相談してみるといいでしょう。

先ほどの、上司があなた一人に業務を依頼してきたなんて、どう考えてもおかしいです。

ですよね~

そうやって、あなたとあなた以外の人の課題を区別する勇気が大切なのです。

課題は大きく、以下の3つに分類することができます。

課題の分類

①あなたの課題

②相手の課題

③あなたと相手の共通の課題

自分の現状を俯瞰して、潔く線引きして下さい。

仕事の件にしても、家族の件にしても、混ざり合った責任が本当は誰の課題なのか線引きすることを、アドラー心理学では「課題の分離」と呼んでいます。

きちんと課題を分離しないと、責任感の強い人ほど、犠牲者になってしまうのです。

「誰かに頼まれたから」と、誰かの作った道に乗るのではなく、自分で自分の好きな道を作って進んでいきたいものです。

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まとめ

この記事のまとめは以下の通りです。

  • 課題や責任の混同には、アドラー心理学の「課題の分離」が役に立つ。
  • あなたの課題と相手の課題を区別する勇気が必要です。
  • 相手の課題に手を出すことより、自分の課題を優先して取り組みましょう。

課題を区別するには、一歩引いて、冷静に自分を俯瞰してみて下さい。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

感謝いたします。

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