皆さんもご存じの通り、10年に1度の豪雨はほぼ、毎年やってくるようになりました。
その一方で、どこか「他人事」だと思っていませんか?
災害が発生すると、電気、ガス、水道といったライフラインが停止することもあります。
災害は忘れたころにやってきますので、普段から意識を高めておきたいところです。
本記事は、以下をご紹介させていただきます。
災害発生による停電、断水の復旧の目安
もちろん、災害の規模と災害の程度により異なります。
そのうえで、一般論として紹介したいと思います。
一般的に、ライフラインの復旧順序は、電気→水道→ガス(都市ガス)となることが多いようです。
①電気:早ければ当日、遅くても1週間
電気は早い世帯では、当日に復旧します。
ちなみに、あの東日本大震災では概ねの復旧までに、約1週間を要しました。

②水道:3日後には半数が復旧、復旧が長期化することも・・・
東日本大震災では、災害発生から3日後までに約半分。概ねの復旧までに、約3週間を要しました。
一方で、西日本豪雨(2018.7.15)では電気やガスに比べて、断水が長引く結果となりました。

なぜ、西日本豪雨では断水が長期化したのですか?
愛媛県宇和島市では、豪雨により、浄水場の周囲の山の斜面が3カ所で崩れました。
結果、大量の土砂や流木が、砂防ダム2基を乗り越えて、浄化槽や機械室、浄水池に入り込んだためだと言われています。
また、広島県呉市安浦町では、公営水道が一部にしか敷かれておらず、地域住民が「小さな水道」を管理していたのですが、施設の復旧には多額の費用がかかります。
このため、地域住民は支援を求めたのですが、呉市は「”地域住民が自主管理する水道”の修繕に税金は使えない」としていて、復旧の見通しが立たなかったということです。

それは知りませんでした。ところで、日本全国には、地域住民が管理するような水道って、他にもあるのでしょうか?

一般的にはあまり知られていないと思いますが、水道は利用者の数によって、名称が変わります。
「上水道」は利用者数が5001人以上。
「簡易水道」は利用者数が101人から5000人。
「簡易水道」といっても、施設が「簡易」という意味ではありません。
それらは上水道と同一の基準が適用されている。
「飲料水供給施設」は給水人口50人以上100人以下。
「水道法」では利用者数101人以上を「水道」と定義していますので、厳密には水道ではないのかもしれませんが、水道に準ずる扱いを受け、簡易水道と同様、検査や補助を受けられる場合もあります。
先ほど紹介した「小さな水道」とは、さらに利用者の少ないもので、日本各地に存在します。
呉市の被災地域のように、地域住民が組合などをつくって自主管理するケースも多いのですが、取水施設は整備から数十年が経過し老朽化が目立ち、人口減少で組合の収入も減少しています。
加えて水道管の埋設状況も管路図が残されていないケースも多く、今後の管理に不安が残ると言われています。

なるほどですね・・・
自分の住んでいる地域の水道の規模は把握しておきたいですね。

人口減少、少子高齢化によるインフラ老朽化は、喫緊の課題ですね!
③ガス:都市ガスとプロパンガスで大きく異なる
一般的に、ガスは電気や水道に比較して、復旧までに多くの時間がかかりますが、地震が発生しても、長期のガス遮断に至ることは少ないようです。
これはガス導管の安全性(耐震性)によるものです。
一般的に、ガス導管は地下に埋設されており、電柱などと比較して、その他の倒壊物による影響を受けにくいこともあります。
その一方で、ガス導管が破損すると、それなりの復旧工事が必要となります。
以前、別の記事でも書きました、災害は忘れたころにやって来ます。
災害への備えは、平常時にしっかりとやっておきましょう。
災害発生による停電、断水時に気を付けたいこと:3選
①停電時に気を付けたいこと
停電中はブレーカーを落としておくようにして下さい。
ブレーカーを上げたままにしておくと、復旧時の通電火災のリスクがあるからです。

どうして通電火災が起きるのですか?
火災の原因として、①電気ストーブやアイロンに可燃物が触れていた、②電気コードが損傷、断線していた、③水没した家電を使用したなどがありますが、①が最も分かりやすい事例だと思います。

②断水時に気を付けたいこと
戸建て住宅に比較して、マンションなどの集合住宅は、水道施設そのものが復旧しても、給水再開が滞るケースがあります。

どうしてですか?
簡単にいうと、設備構成が複雑だからです。
マンションなどの集合住宅では、水道施設からの給水をいったん給水タンクなどに貯留し、そこから給水ポンプで各戸に給水しています。
2019年10月の台風19号により、武蔵小杉のタワーマンションの地下電気室が水没したことを覚えていますか?
自治体の水道施設や電力会社の発電設備、送電設備が健全であっても、自分たちの電気設備が水没してしまったら、電気も水道も使えなくなるのです。
ちなみにこのタワーマンションは、被災から5日後に復旧しています。

③ガス遮断時に気を付けたいこと
調理用のカセットコンロなどは常備したいところですね。ボンベと合わせて。
ただし、カセットコンロでお湯を沸かしてお風呂に入るのは現実的ではありません。
そう考えると、「オール電化」が頭をよぎりますが、オール電化だと停電してしまうと「お手上げ」状態となります。
自前の電源を用意する時代なのかもしれません。
以下に、人気のポータブル電源を紹介します。
いつ発生するか、あるいは発生しないかもしれない大規模災害のために、本格的な蓄電池の購入はコストがかかりすぎます。
ポータブル電源で、数時間あるいは数日しのげるだけでも、精神的な安心につながりますよね。
災害時に便乗する詐欺について
災害時の混乱に便乗して、詐欺を働く人間がいます。

いつの時代も、悪い奴はいるもんだよね~
被災地を訪れたボランティアが手伝ってくれたものだと思っていたら、あとで法外な料金を請求されるといった事例もあるようです。
実際、2019年9月、千葉県に広域的な被害をもたらした台風15号のとき、屋根にブルーシートをはっただけで、十数万円が請求された事例もありましたよね。

行政などに登録したボランティアの方は、証明書などを発行してもらっています。
必ず、相手の身元を確認するようにしましょう。
公的機関を装って、料金未納などの「うそ」の通知書類を送って来るケースもあります。
不審なことがあれば、すぐに対応せずに、自治体や友人・知人に相談するようにして下さい。

怪しいと思ったら、ひとまず落ち着いて対応して下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝しています。
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